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初恋の、それから

初恋の、それから (Holly NOVELS)
渡海 奈穂
蒼竜社
売り上げランキング: 4,024

幼い頃から泣き虫で、か弱く見られてみんなから守られてきた有馬は、高校入学を機に誰にも頼らず一人で強く生きようと決意するが、先輩の吉原に泣いている姿を見られてしまい再び世話を焼かれるように。そんな時、有馬は吉原の友人で綺麗だが無愛想な男・爾志から「ぼっち同士一緒にいれば安心するだろう」と提案される。爾志は人に興味がなく、独りが好きなのに吉原に構われて困っていたと言う。しかし、爾志と話をするうちに、爾志が本当に、わずかな好きなもの以外、関心がないことを知った有馬は胸の痛みを覚えるが―──。


 俺のこと 振っていいよ。

 後輩×先輩。
 高校生同士の初恋もの。年下攻。

 誰にも守られたくないと半ば意地を張るように他人を寄せ付けずにいた攻が、同じく誰とも馴染めず独りを好む受と出会い惹かれていくけれど、二人が出会うキッカケになった人物に片想いしている受を知るとともに攻のほうがその人物から告白され…というお話。

 読み終わってみるとタイトルにとても納得、確かに初恋のそれからの話だったなーという印象のお話でした。
 個人的にはこういう友情と恋の微妙な境目にあってじれったい話って大好きなので楽しめたのですが、それぞれがグルグル悩んでなかなか進展しないお話が苦手な方はご注意ください。

 感想としては、前半は泣くほど吉原を好きだった爾志(受)がフラれた直後に有馬(攻)への好意を匂わせたのはちょっとどうかと思ったけど、誰にも理解されずにいた二人が共感しあい一緒に居ることで少しずつ相手のことを知り受け入れていく過程が丁寧に書かれていて読み応えがあり
 それぞれ微妙にタイプは違えど、“独りで居たい”という共通事項が有馬の頑なだった心を開かせ、爾志とだけはそれまでとは違う人間関係を築けたことがゆっくりと恋心に育っていく様子が初々しくて甘酸っぱいんですよね~。
 しかもそこに二人が出会うキッカケにもなった吉原という、好感しかないような存在が介入することで少々複雑な関係が出来上がってしまうのも物語として面白い
 初恋を自覚すると共に有馬は爾志の恋心を知り、爾志は吉原の気持ちを知って恋を失い。
 ほんのり切ない関係の中で苦悩しながらも少しずつ変化していく二人の姿が青春らしくて良かったです。

 二年後の、初恋が報われたのか曖昧な状態から始まる後半はひたすらじれったい!の一言に尽きるものの、中途半端な始まりゆえの友人と恋人の狭間で揺れる気持ちや初恋らしい心の揺れ動きがじっくり楽しめて面白かったです。
 まず恋人なのか友人なのかという、そこの定義からして曖昧なのでグルグルしてるだけでなかなか進展しない様子は本当にじれったいんですけどね(苦笑)
 けど、吉原という身近なお手本に習うように、最初からは想像もできなかったほど真っ直ぐ好感の持てる一途な青年に育った有馬は良かったし、爾志は爾志で友人であり続けるか恋人になるかという狭間で、好きだからこそ手離したくない相手を前に意地を張ったり自己嫌悪に陥ったり苦悩している姿がいじらしくて放っておけない気持ちにさせて◎。
 付き合っていくには間違いなく難しい相手だとは思うけど、同じく生き辛い人生を歩んできた有馬なだけに変われずにいる爾志を理解し急かさずに待とうとしていたところが、年下なのに穏やかな包容力を感じさせて良かったです。
 ようやくフッと肩の力を抜くことができてからの、ずっと拒み続けてきたものを明け渡すような、不器用だけどキュンとする二人のやりとりも初恋らしさを味わえて良いラストでした。
 イマイチ評判は良くないみたいだけど個人的にはアリ。
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