- 2015-10-16 Fri 18:03:14
- HA - other
両親を亡くし父の知り合いの神代誠士郎に引き取られた小倉広夢だが、無愛想で無口な神代は子供の広夢には恐ろしく、心を開けないでいた。そんなある日、広夢は古い蔵の中で守り神だという人語を話す狼・クラと出会う。クラは幼い広夢の話を聞いてくれ、以来広夢にとってかけがえのない存在となった。そして月日が流れ大学卒業を目前にした広夢は、クラにある秘密を打ち明ける。いつしか神代に抱くようになっていた恋心を…。
「番」か、いい言葉だね。恋人とか夫婦よりずっといい。
狼男×大学生。
養父と養い子のモフモフもの。
幼い頃に両親をなくし、親戚中をたらい回しにされていた受を引き取って育ててくれた攻。一緒に暮らすうちに彼のことを好きになる受だが、二人の関係上なかなか告げることができないどころか、やんわりとだが拒絶を感じ…というお話。
モフモフ要素とキュンと切ないお話みたいだったので久々に火崎さんの作品を購入してみたのですが、んー…一言でいうと『 可もなく不可もなし 』といった感じですかね。
ネタバレについても初っ端からするのはどうかなーと思ったんだけど、注意書きも必要ないくらい、あらすじを読んだだけでもなんとなく展開が読めるものだったのでそのまま記載。
自分を引き取って育ててくれた攻に報われない片想いをしていたと思っていたら、実は攻のほうも受のことを好きで互いに我慢比べをしていたという、両片想い王道ストーリーでした。
とはいえ、狼のクラとして、また保護者として不器用なりにも広夢(受)のことを思っている誠士郎(攻)にはほっこりできて良かったし、お互いに我慢しすぎなのはちょっとじれったかったけど、好き合っているのがわかりやすいぶんジレジレ状態を楽しめて○。
広夢のほうも両親を亡くしてからの状況がツラいものだったにもかかわらず、諦念や不安を抱えながらも精一杯前向きに生きようとしている姿がいじらしくて良かったです。
自分に言い聞かせるように何もかもを諦めようとしている様子は彼の生い立ちを思うと切なかったものの、報われない想いじゃないと安心して読めたので片恋についての切なさは良いスパイスでしたね。
基本的にわかりにくい人物だったせいか、後半の広夢に対する誠士郎の変化は少々強引さを感じたけど、嫌なヤツかと思った若林という第三者が介入することでようやく状況が動いてホッ。
クラと広夢のやりとりは和めるもので微笑ましかったうえにそこでモフモフ成分を味わえたりと、全体的にアッサリめではあるもののサラッと楽しめる内容でした。
ジレジレ期間が長いので糖度が思ったより低かったのがちょっと物足りなかったかな。
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