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世界が終わるまできみと

4344811100世界が終わるまできみと (幻冬舎ルチル文庫)
杉原 理生 高星 麻子
幻冬舎コミックス 2007-09-14

by G-Tools

中学2年生の速水有理は、父親と弟と3人で暮らしていた。やがて3人は父の友人・高宮の家に身を寄せることになるが、そこには有理と同じ歳の怜人という息子がいた。次第に親しくなり、恋に落ちる2人だったが…。怜人との突然の別れと父の失踪から5年後。大学生になった有理は弟の学と2人で慎ましやかな生活を送っていた。そんなある日、怜人と再会するが─────。


 ドラマCDの予習のために購入しようか迷っていたとき、とあるレビューサイトさんでこれのレビューを拝見して即決してしまいました(笑) ついでにドラマCDも買おうかどうしようか迷っていたのですが、原作読んで購入決定しました。ありがとうございます(?)

 まず、読んでいてすごく世界観と高星さんのイラストが合ってるなと思いました。透明感があって、けれどいつか壊れてしまいそうな危うさを孕んでいて、という登場人物が持つ空気とイメージぴったりだったなと。とりあえず読む前から大人がダメすぎるとは聞いていたのですが、本当にダメな大人ばかりで子供がすごく健気に強く生きようと頑張っているんですよね。怜人が持つ穏やかさと優しさも然ることながら、痛々しいほどに前だけを向こうとしている有理の、線は細いけど強くあろうとする雰囲気が高星さんの描かれる有理とドンピシャでした。

 しかし、有理の境遇は読んでいて正直シンドイお話でしたね。ちょっと自分とダブるところがあって、見ないようにしていたものを赤裸々に読まされているような感じというか(苦笑) それくらい、感情描写が丁寧で、読んでいてじんわり胸に染み込んでくるものがありました。なんつーか、やっぱり兄弟の上ってああいう状況に置かれたら損なんですよね(苦笑) 身体の弱い弟を抱えて、自分のことなんか二の次で、周りのことにばかり気を遣って…。父親が父親だけに、自分の不安を押し殺しながらも否が応でも敏い子にならなければならなかった有理が不憫でした。とくに、二部での守を連れて病院に行くあたり。読んでいて有理の恐怖が痛いほど伝わってきて辛かった…。母親と祖母のことがあるだけに、どうしても最悪な事態を想像してそれに囚われてしまう。きっと、誰でも共感できることじゃないかと思うんですよね。だからこそ、有理の感情がわかりすぎて読んでていてハラハラしました。てか、そこに至るまでの、ときどき挟みこんでくる守の頭痛描写がずっとイヤな予感を植え付けるから余計だと思うんだが(笑) そういうのも含め、文章展開が上手いなーと感じました。有理と怜人だけに焦点をあてるとずいぶん遠回りしているだけにじれったく思うかもしれませんが、物分かりが良すぎる二人だからこそ、互いが互いを思う気持ちがとても切なかったです。

 あとは、そうだな…その中で怜人が有理を想う深さと優しさにはキュンとしました(笑) 俺様も好きだけど、こういう穏やかなわりに受けへの想いだけは譲らないところを持っている攻めも大好きです。登場してきたときから怜人の描写が王子様然としているのですが、だからこそ有理への恋心を表面化させるところがすごく生々しい…というとあれですけど(笑)、とても印象に残るというか人間味を持って鮮やかに感じましたね。ただ一つ、記憶を失っていても有理への想いだけはどうしても取り戻したい、更には何もかもを承知したうえで有理だけが欲しいという、その強い想いが怜人をただの王子様で終わらせずに一人の青年にしていたのではないかと思います。とはいえ、中学生の頃に約束したとおり、何からも君を守ると言い切る怜人はやっぱり王子様みたいにカッコよかったですけどね(笑)

 それにしても、結局父親はどうなったんすかね(苦笑) 無責任にも行方不明のままだし、叔父の康広はまるで小姑のようだし(笑) てかあの人いったい何なの(苦笑) 言ってることも分かる気がしたけど、有理のことを揺さぶるだけ揺さぶってたって印象しかないなあ。そういうのを色々考えると有理はまだ苦労しそうだし、その後の二人がとても読みたくなりましたね。もちろん、幸せなところを含めて。
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